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【108】 母乳とダイオキシン類
25.9.12.

 毒性の強い環境汚染物質であるダイオキシン類が、母乳に含まれることがかねてより社会問題になっており、少しまとめておきます。

・・ごみなどを焼却する際に
発生する毒物で、国も発生源を減らす努力をしていますが、大気、土壌、河川、海洋などありとあらゆるところが汚染されており、魚、野菜、肉などを介して体内に入ってくるのです。

・・ダイオキシン類は
脂肪に蓄積しやすく、脂肪の多い母乳への混入が問題となる訳ですが、実のところどの程度の毒性があるものかまだ確定されていません。

・・大量のダイオキシン類が、
農薬工場の爆発で飛散したイタリアの事故では、ガン発生率、流産率、奇形出生率などの増加が観察されていますが、母乳程度の量での毒性は、母乳栄養児と人工栄養児との比較でも明らかになっていません。

・・ですから、
今のところ母乳栄養を止めるほどの問題ではなさそうですが、食物から入ってくることが分かっている以上、母親は食物にはちょっと気を使っていただきたいと思います。

・・ダイオキシン類で
心配したいのは、魚介類>肉類・卵>野菜と言った順で、近海物の魚介類で脂肪の多いサバ、イワシ、ハマチなどは頻繁に食べないようにして、肉類の脂もできれば控えめに、野菜もよく洗って食べるようにしたいものです。煮たり焼いたりすることで脂肪を落とすのも一つの工夫です。

・・ダイオキシン類が
含まれやすい食物については、大雑把な傾向はのべられますが、産地などによる濃度の差は大きく、各々の食物についてその濃度を知ることはほとんど不可能ですから、色々な食品を食べるようにして、特定の食物、産地、業者に限定しないことをお勧めします。

・・また、食物繊維や葉緑素が
ダイオキシン類の体外への排出を助けることが知られており、一番簡単なダイオキシン類への対策となると思われます。

・・一般論として、
食物は他にも色々な毒物を含む可能性があり、どんなに評判のよい食品でも、特定なものに限定しないのが健康を守るための知恵といえます。長年食べてきたのに、実は・・、なんてことは珍しくありません。ヒジキにヒ素が含まれる話に驚いた方もいました。

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【107】 ミドリガメとサルモネラ症
25.9..5.

 先日、厚労省からミドリガメなど爬虫類によるサルモネラ症についての注意喚起がなされました。

・・ことの発端は、
米国において2011年5月からの2年間に8件のサルモネラ症の集団発生があり、計391人の患者が確認されたという報告でした。疫学調査の結果、サルモネラ菌感染の原因が子ガメおよび子ガメの飼育環境であることが分かったのです。

・・日本でも、
これまでにカメをはじめとして爬虫類が原因と判明したサルモネラ症がほぼ毎年発生しています。サルモネラ菌によって胃腸炎症状を起こすほかにも、子どもや高齢者では敗血症や髄膜炎など重症化する場合もあり、そうした家庭では爬虫類をペットとするのは特に注意が必要です。

・・爬虫類としては、
ミドリガメをはじめとしたカメや、イグアナ、ヘビなどからの感染例が報告されており、爬虫類のサルモネラ菌保有率は50〜90%と言われていますから、爬虫類をペットとして飼育する場合、爬虫類本体、飼育水、飼育槽はサルモネラ菌に汚染されているものとして扱う必要があります。飼育槽から出して自由に徘徊させることも避けたいもの。

・・子どもの場合、
かわいいミドリガメをつい触ってしまい、その手を介して菌が口から入る経路が考えられます。サルモネラ症は8〜48時間ほどの潜伏期をおいて発症しますから、心当たりがある場合には早めに医療機関を受診し、爬虫類との接触があったことを伝えることをお勧めします。下痢、嘔吐などがあっても市販の下痢止めを使わないで下さい(菌が体内に残りやすくなります)。

・・海外から、
輸入されるカメをはじめとする爬虫類は年間30万頭にも上るといわれ、ミドリガメは未だに縁日などで売られています。うまく飼育すれば20年以上生きますが、飽きて河川に投棄されたミシシッピアカミミガメ(ミドリガメの正式名称)が日本の生態系を破壊することが危惧されています。

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【106】 登校しぶり
25.8.29.

・・いよいよ
夏休みも終わり2学期が始まりますが、休み明けと運動会や文化祭の前後は、登校しぶりが起こりやすい時期なので、そんな時の初期対応について書いておきます。
 登校しぶりは不登校の前段階であることが多く、突然のできごとに親は戸惑うと思いますが、登校しぶりはけっして軽症の症状ではなく、かなり心がしぼんでから現れるものと理解してください。

・・どんなに
学校が嫌いな子どもであっても、学校は行かなくてはいけないものと理解しており、登校しにくくなるのはよほどの理由があってのことで、いい加減さや不真面目さによるものは極めて稀といえます。
 宿題さえできていれば登校できたのに、と思えるケースもあるかもしれませんが、宿題ができないことが初期症状である場合もあります。

・・子どもは
そんなに簡単に登校しなくなるものではありません。何らかの理由で心がしなびて登校しにくい段階に入っても、親への気遣いによって無理に心をふくらませてでも登校するのです。もともと子どもは、親に対してうすうすの負い目を感じているものだからです。

・・ですから、
登校しぶりが始まったらそのまま静観しているのが賢明です。無理に登校を後押しすると、最後の気力を振り絞って登校するかもしれませんが、心はさらにしぼんで身動きが取れなくなるのがオチだからです。

・・一つだけ
静観していてはいけない例外があり、それは"いじめ"です。こればかりは静観していて解決する問題ではありませんから、親が介入を急ぐ必要があります。"いじめ"の気配がないようでしたら、静観しつつ、なぜ心がしぼんだのか原因探しに入ります。

・・心がしぼむのは、
何らかの努力をしてもその成果がみえないときなので、人間関係のトラブル、軽度発達障害をはじめとする能力上の問題、親子関係、学業の上でのプライドの傷つきなどを考慮します。

・・初期の
対応を間違わなければ、元気なく落ち込んだ子どもの表情に明るさが戻ってくるでしょう。登校はその先の問題ですが・・。

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