直線上に配置
【99】 水痘・帯状疱疹について
25.7.9.

 水痘は一般的な病気ですが、いくつか混乱しやすい点があるので、少しまとめておきます。
 水痘ウイルスは一度かかると神経の中に一生棲みつき、それが野生株の場合は将来的に帯状疱疹になる危険性があるので、ワクチン株で免疫をつけておきたいのです。

●帯状疱疹って何ですか?
 神経に棲みついたウイルスは、見張り役の抗体が体内をめぐっているうちは大人しくしていますが、抗体が減ってくると活発化して、皮膚に、痛みを伴う水疱性発疹を作ります。神経の通り道に沿って帯状(時に塊状)にできるので帯状疱疹と呼ばれます。水痘の発疹よりひどい発疹で回復後に瘢痕を残すことも、成人では神経痛が残ることもある気味の悪い病気です。

●水痘ワクチンは2回接種打った方がよいのでしょうか?
 1回の接種で免疫がついてかからなくなる確率は約70%、2回で約90%以上と言われますから、1歳過ぎに1回目をうち、2歳になるまでに2回目を接種するのは理に叶ったことです。小児科学会では3ヵ月以上あけての接種を勧めていますが、4週以上の間隔をあければ2回目の接種は可能です。

●水痘は、重症でなければ抗水痘ウイルス剤は要らないと病院で言われましたが、内服して早く治ったという子がいます。どちらが正しいのですか?
 確かに軽症の水痘もありますから、そういう方は抗ウイルス剤の内服の必要はありません。ただ、発症すぐに病気の重さを予測できるとは限らないので、内服によって病期の短縮を図るほうが安心でしょう。ワクチン接種済なのにかかった場合は、軽症化する確率が高いので内服しない手もあると思います。

●水痘にかかっても、0歳台であればワクチンは接種したほうがよいと聞きましたが、本当ですか?
 母親に水痘罹患歴があり、もし0歳台(とくに生後6ヵ月未満)で発症した場合、母体由来の抗体に邪魔されて、治癒しても十分な抗体を作れない場合があります。神経にはウイルス、体をめぐる見張り役の抗体がない→そうです、帯状疱疹を発症する危険性があるので、水痘ワクチンをうって抗体の量を増やしておく方が安全なのです。2回目の水痘を発症する場合もあるといわれています。

直線上に配置
【98】 アルミニウム中毒
25.7.1.

 先日、厚労省はアルミニウム添加物の使用基準を定めて規制する方針を決めました。
世界保健機構(WHO)は、一生取り続けても健康に害がない1週間の許容量を体重1kgあたり2mgと定めていますが、日本の乳幼児の一部で国際基準を上回るおそれがあると分かったからです。
 なんと、
ホットケーキやパウンドケーキを週に1枚食べるだけで、幼児ではアルミニウムの取りすぎになってしまう場合があるというのです(ホットケーキミックス50gでアルミニウム約27mg含有)。
 ベーキングパウダーに含まれるミョウバンが主な原因と考えられ、現在、森永、昭和産業などホットケーキミックス大手はアルミフリーに切り替えています(買い置き粉は要チェック)。
 もっとも、
私たちが普通に食べている食品にもアルミニウムは含まれており、ある測定結果(100g中)では、玄米:0.12mg、菜っ葉類:1.2mg、根菜類:0.26mg、肉類:0.18mg、魚肉:0.2mg、貝類:3.8mg、海藻:8.5mgといった具合で、国内の水道水にも1リットル当たり0.2mg以下とはいえ含まれています。
 また、
酸や塩分の強い食品をアルミ鍋で調理すると、アルミニウムが溶け出やすいことが分かっており、アルミ鍋の使用を控えるべきとする提言がありますが、異を唱える専門家もおり過敏になる必要はないと思います。
 ところで
アルミニウムを口にすると本当に有害なのでしょうか。体内に入ったアルミニウムのほとんどは便に排泄されますし、わずかに腸から吸収されたものも腎臓からすぐに排泄され、腎機能が正常であれば蓄積されません。蓄積された場合には、神経系の障害などを起す危険性があるといわれますが、その根拠の多くは、透析患者さんに対する毒性に関するものです。
 ですから、
健常者の場合は、あくまでも念のための警告と考えればよいと思います。ただ、乳児期は腎臓の機能が未熟で、蓄積のリスクが皆無とはいえませんから、アルミパンで離乳食を作らないとか、ベーキングパウダーを使った離乳食や市販品をひかえるとか、ささやかな気配りをしておけば十分といえます。

直線上に配置
【97】 牛乳貧血について
25.6.24.

 牛乳はカルシウムを多く含み、しかもそのカルシウムは吸収がよく栄養学的に優れた食品ですが、ちょっとした注意点が二つほどあります。
・・・
 一つは、1歳未満の赤ちゃんには、牛乳そのままを与えないこと。
 牛乳がどんなに優れているといっても、牛乳は、牛がわが子を育てるために作ったミルクで、人のためのものではないということです。
 腸の消化吸収能力がまだ未熟な赤ちゃんにとって、牛のタンパク質そのままでは負担が大きすぎるのです。
 未消化なまま腸から吸収された牛乳の成分は、アレルギーを起こす原因となることがあります。
 粉ミルクの原料も牛乳ですが、粉ミルクは牛乳タンパク質に化学的な処理を加えてあるので、元々牛乳アレルギーがなければ心配はいりません。
・・・
 もう一つは、1歳過ぎても、牛乳をたくさん与えすぎないこと。
 牛乳が大好きな子どもたちがいます。母親は、栄養も豊富だし喜んで飲んでくれるのなら、とつい与えてしまいますが、1日500〜600mlを超えないようにしてください。
 大量の牛乳をあげ続けると、牛乳貧血と呼ばれる鉄欠乏性貧血を起こす危険性があるのです。
 牛乳が鉄分をほとんど含まない上に、他の食物を食べる量が減って鉄不足を招いたり、牛乳で腸が傷んで出血したり、大量のカルシウムが鉄の吸収を邪魔したり、と色々な理由があります。
 乳幼児のみならず、思春期の子どもでも牛乳貧血をみることがありますからご注意を。

直線上に配置

<前  <索引> 次> 

あいあいキッズクリニックへ
思春期ブルー研究所へ