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【96】 皮膚感染症とプール
25.6.16.

 先日、小児皮膚科学会などが、皮膚感染症とプールに入ってよいかどうかの目安を公表しました。
 保育園、幼稚園、学校によっては、これまでの方針と違って戸惑うこともあると思います。ある保育園で意見を求められましたので、私見を述べたいと思います。
 1)伝染性膿痂疹(とびひ) は×
 他の子どもにうつすからというよりも、裸になって不必要に掻くことで病状を悪化させる可能性があります。ある程度広がったとびひは、軟膏治療だけでは1〜2週以上かかることもありますから、適切な抗生物質の内服で早めに治してあげたいものです。
 2) 伝染性軟属腫(みずいぼ)は○
 プールの水ではうつらないというのがその根拠のようですが、子どもは裸にすると体を掻きたがるもの。掻いたみずいぼから大量のウイルスがむき出しになり、プールのヘリや、ビート板、浮き輪などにこすりつけられて、他の子どもへの感染源となるのです。数の多くないみずいぼは麻酔テープを貼って摘出することができますし、多くても、漢方薬により治療することもできますから、やはり治療してからプールというのが正しいと思います。
 みずいぼをうつされた子どもから、「○○ちゃんもボツボツできていた」と聞いたお母さんのお腹の中は想像に難くありません。
 3) 頭虱(あたまじらみ) は○
 スミスリンシャンプーという市販の治療薬があり、添付されたスキグシですいていれば1週間ほどで治りますから、やはり治療してからプールというのが正しいと思います。タオル、ヘアブラシを共用しないようにと但し書きがありますが、他の子どもは、その子がアタマジラミとは知らないのです。自分から告白する子どもはいないはずです。
 4) 疥癬(かいせん)は○
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【95】 ディスレクシアをご存知ですか?
25.6.10.

 ディスレクシアは、知的能力などに異常がないのに文字の読み書きがスムーズにできない障害のことで、日本語では書字・読字障害とか、(狭義の)学習障害とか訳されています。
 アメリカでは、小児の約10人にひとりがディスレクシアと言われるほど一般的な障害ですが、日本ではこれまでまれな障害として問題視されてきませんでした。
 ところが近年、ディスレクシアの知見が深まるとともに、けっしてまれな障害ではないことが明らかにされつつあります。
 文字の読み書きに障害があれば、学校の成績にすぐにも響きそうなものですが、知的能力には問題がないので極端な成績不振には陥らず見逃されやすいのです。いくつか、特徴的な症状を並べてみます。
 ・ノートが上手にとれない
 ・漢字が正確に書けない
 ・似た文字の区別がつきにくい(め⇔ぬ、の⇔め、p⇔q、b⇔dなど)
 ・どの行を読んでいるか分からなくなる(指でなぞる)
 ・字を飛ばして読む
 ・文字の左右を逆に書く(鏡文字)
 ・読むよりも、聞くほうが理解しやすい
 ・読むことをいやがる
 ・作文を書くのが苦手(課題が遅れる)、などなど。
 この障害を知っている学校の先生は意外と少なく、子どもの努力不足とみなされることが多いので、本人のためにも学校のためにも、正しく診断しておくことが必要なのです。
 レオナルド・ダ・ビンチ、エジソン、アインシュタイン、スピルバーグなど個性的な人々がこの障害であったと言われています。

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【94】 風と風邪
25.6.3.

 風邪は、風の邪気が体に入り込んで起こる病気という意味で、中国の古典医学から発生した言葉で「ふうじゃ」とも読みます。
 風邪は、一般的には上気道(声帯よりも上の気道:鼻、のど)の炎症を意味し、90%以上はウイルス感染によって起こると言われています。
 そして、ウイルス感染を起こすと、初期には、ノドに濾胞と呼ばれる小さな水泡がいくつか現れ、回復とともに水泡がしなびてゆくのが観察されます。
 ところが、今春から初夏にかけて、ノドにはウイルス感染の初期所見がないのに、咳、鼻汁、くしゃみなどの風邪症状を訴えて来院した子どもが数多くいました。しかも、熱はなく、食欲もあり元気なのです。
 花粉症?いえ、目は痒がらず、スギ・ヒノキの飛散が終わった後も続きました。
 そうした子どもたちの受診に波があることに気づき、観察してみると、強風の日に症状が出始める子どもが多いことが分かりました。
 まさしく、風の邪気による病気?強風の日が多かった今年、ひときわそうした子どもが多かったのも頷けます。
 ところで、本当に邪気?
 強風が吹き荒れる時、屋外では、微小粒子状物質などが飛び、屋内では、すきま風が室内のホコリを巻き上げる可能性が考えられます。ホコリの中には当然ダニの粉末化した死骸や時にはペットのフケも含まれるでしょうし、咳や鼻汁を悪化させるには十分な原因となるでしょう。
 風の風邪とでも呼べばよいのでしょうか。もっとも、副鼻腔炎まで進行する子どももいますからバカにできない風邪です。
 予防には、家の掃除、加湿、マスクの着用が有効です。

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