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最新版を見やすくするため、ここのコラムから順序を逆にしました

【90】 ウンチの色
25.5.5


 ウンチの色は、健康状態をチェックするのにとても有用です。色々な便の色について書きます。
 黒便:お菓子のオレオを食べて黒便になることもあります。鉄剤を内服すると黒っぽい便がでます。また、生まれたての赤ちゃんのウンチは粘っこい緑黒色ですが、正常な胆汁由来の色です。出生後から新生児期にかけて、ビタミンK不足による出血傾向から赤黒便を排泄することがあり、メレナと呼ばれます。現在はK2シロップの予防投与が行われているので見ることはマレです。
 黄便:おっぱいを飲み始めてからの赤ちゃんのウンチは鮮やかな黄色です。やはり胆汁由来の色で、便がアルカリ性だと黄色に、酸性だと緑色になるのです。生後2〜3ヵ月を過ぎると鮮やかさが失われてゆきます。
 緑便:ですから、赤ちゃんの便は黄色でも緑色っぽくても、元気なら何の問題もありません。
 白便:病的なものの一つは白っぽい便です。新生児期の白っぽい便は胆道閉鎖症などの病気のサインですし、乳幼児以降では、ロタウイルスやアデノウイルスの感染による胃腸炎のサインにもなります。胆道閉鎖症は早めに治療しないと命に関わる病気ですから新生児期にはご注意を。
 赤便:赤い便も一般的には病的で、色々な理由での消化管からの出血を意味します。細菌性胃腸炎、腸重積、裂肛、憩室などの病気の可能性があります。赤便は、即病院へのサインです。乳児期に便にスジ状の血液がつくことがありますが正常児にしばしば見られることです。
 黄褐〜暗褐便:これが正常な便の色ですが、食物、薬物などにより変色することがあります。
 たかがウンチ、されどウンチ。

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【89】 乳幼児さぶられ症候群
25.4.21


 赤ちゃんを激しく前後に揺さぶることにより、脳や神経が直接損傷を受けたり、頭の中に出血が起こったりして、赤ちゃんに様々な障害が起こる病態をいいます。激しい高い高いでも同様の現象が起こることがあります。あやす程度の揺さぶりでは起こりません。
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 その時の症状は、元気がなくなる、顔色が悪くなる、嘔吐するなどですが、重症ですと、意識がなくなる、けいれんする、更にひどいと死ぬことさえあります。
 また、その場をなんとか乗り越えられたとしても、後遺症として、知的障害、てんかん、麻痺、視力障害など回復不能な障害を残すことがあります。
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 愛情持って育てているからうちは大丈夫、という方も安心は禁物、ついかっとした拍子に誰でもしてしまうリスクがあります。
 その背景にあるのは、子育てストレスと赤ちゃんのしつこい泣きです。
 子育ては、かなりストレスフルな労働なのですが、周囲の、子育てってそんなものよ、という気軽な言葉に騙されて、ほとんどの親は十分に自覚していません。
 考えてみてください。赤ちゃんは、どんなに可愛くても、親から時間を奪い、自由を奪い、睡眠を奪う存在なのです。赤ちゃんを守るためにも、ストレスを発散する必要があります。
 子育てストレスと疲れで心身ともにまいってところに、赤ちゃんのしつこい泣きが加われば、どんなに優しい親であっても"つい"は起こりうるでしょう。
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 泣き止ませる工夫:抱っこ(歩き)やベビーカーで軽い振動を与える、歌や音楽をきかせる、ドライブをする、意外と知られていないのが、裸んぼにすること。赤ちゃんは想像以上に暑がりですし、傷がないことの確認もできます。
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 ストレスを減らす工夫:赤ちゃんは泣かしていいことを知る、時々赤ちゃんを誰かに任せて一人になる、我慢すればどうにかなると考えない、手伝ってくれる人がいたら助けてもらう、外出をする、赤ちゃんの生活リズムを親のリズムに合わせる、寝られるときはできるだけ寝る、愚痴でもよいので誰かに話す(手ごろな方がいなければ小児科医でも)
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「窮鼠、猫を噛む」ならぬ「窮親、子を揺さぶる」、激しい揺さぶりは虐待と心得てください。

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【88】 指しゃぶり
25.4.15


 何年か前に、指しゃぶりは胎児もしているという報道がありました。おっぱいを飲む練習ではないかという説明がついていましたが、おっぱいの必要がなくなった子どもも指しゃぶりをします。
【なぜしゃぶる?】
 指をしゃぶることで精神的に安定するという説がありますが、指しゃぶりは退屈な時や眠そうな時に起こりやすく、それほどの精神的な波立ちがあるようにはみえません。
また、しゃぶっている表情も安定、安心というよりも無表情に近いことが多いものです。しかも、意図的というよりもほとんどクセ、反射の類のようにみえます。いうなれば脳の仕業。
【仮説@】
 一つの考えが浮かびました。指しゃぶりによって胎内にいた頃の精神状態を呼び出しているのではないか。
ある精神状態の時のたびに特定の動作(アンカー)を繰り返していると、やがて動作だけでその精神状態を呼び出せるようになるアンカリングと呼ばれる現象がヒトにはあり、胎内で指しゃぶりをアンカー化した子どもが指をしゃぶるのではないか、と考えたのです。
胎児期の指しゃぶりが羊水中の平穏な精神状態と結びついて、出生後も、指しゃぶりによって羊水中と同じ精神状態と呼び起こす。
【体験者の話】
 「ほとんど無意識にしゃぶってしまい、しゃぶっている間は何も考えていません。あたたかいものに包まれている感じがしていました」と、ある指しゃぶり体験者が話していました。
【仮説A】
 また、脳には、周囲から感じたままを周囲にも感じさせる行動を指令する特徴があり、指しゃぶりは、脳からの周囲に対する(何でそんなことするの)という警報とも読み解けます。
【やめさせるべき?】
 歯科医は、すぐにも止めさせないと歯並びが悪くなると言いますが、4〜5歳までに止めれば大きな問題はないという話もあります。小児科医は、時が来れば自然に止めるので無理にやめなくてもよいと答えます。何かの必要があって行っていると考えているからです。
【やめさせるには?】
 本人に自覚が出て、恥ずかしさから止めたいというのであれば、親が少し手伝うことは良いと思います。指をしゃぶった時に似た仕草をしてあげるとか、しゃぶる手を握ってあげるとか、色々な工夫があります。バイターストップという爪噛み防止用の激苦マニキュアを塗る方法もあります。

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