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【70】 吐き気
24.12.7.
 強い吐き気が特徴のノロウイルス感染症が流行中。そこで、吐き気、嘔吐についてちょっとまとめておきます。
 下痢が腸の症状ならば、吐き気や嘔吐は胃の症状。
 口から入った食べ物は、食道の動きで胃に運ばれ、胃の入口が開いて中に入ります。入ると入口は閉じて、それまで閉まっていた出口が開き、胃の動きに合わせて食べ物は出口から絞り出されるように腸に移動します。
 吐き気や嘔吐は、入口の閉まりが悪いか、出口の開きが悪い時に起こります。
 咳き込みやお腹を強く圧迫された時に起こる嘔吐は、圧力に入口の締まりが耐えられずに起こるものです。(赤ちゃんは元々締まりが悪いのでよく吐きます)
 胃の出口が閉まる病気では、行き場を失った食べ物が逆流します。とくに、ウイルス性胃腸炎の初期には強い吐き気と嘔吐が起こります。病状は顔色によく表れ、出口の閉まりと逆流が強い時には青白くなり、回復とともに顔色は赤みをさします。ナウゼリン座薬やプリンペランは出口を緩めてくれるお薬です。
 感染症、ストレス、めまい、脳の病気など、体に異変がある時にも出口が閉まって、吐き気、嘔吐が起こりますが、一般的に、嘔吐するとすっきりした表情になります。もちろん、問題が解消されないと繰り返し嘔吐します。腸重積という、血便と嘔吐を特徴とする怖い病気もこのタイプです。
 吐き気や嘔吐は、医療機関が閉まっている夜間に突然起こりやすい症状であることも覚えておいてください。


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【71】 変な熱
24.12.13.
 「園から38℃の熱が出たと呼び出されたのですが、家で測ると熱はありませんでした」
 発熱して短時間での解熱に、「園の間違いだったのでしょうか」と母親は首をかしげます。実はこれ、副鼻腔炎の熱。普通の風邪の熱はそんなに簡単には下がりませんし、朝低めで夕〜夜にかけて高めというリズムがあります。
 ところが、副鼻腔炎は、時間構わず発熱したり解熱したりする変な感染症なのです。喉に落ちてきた濁った鼻汁や、副鼻腔炎のツボを押すことで診断できます。
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 また、普通の風邪の熱は一晩下がっていればもう上がりませんが、一旦解熱するのに1日もしないうちに高熱が出る感染症もあります。インフルエンザや麻疹がそれで、山が二つできるので二峰性発熱と呼ばれます。インフルエンザの二峰目は1日くらいで解熱します。
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 また、突発性発疹は、2〜5日間の高熱の後に発疹が出る赤ちゃんの感染症ですが、発疹が出て初めて気づくことがあります。夜間にだけ発熱する場合があるからです。発熱の割に元気で、発熱中よりも解熱してからの不機嫌さで知られる感染症です。

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【72】 インフルエンザの話
24.12.22.
 厚労省は21日、インフルエンザが全国的流行期に入ったと発表しました。
もっとも、これは全国の定点医療機関からの患者数報告を元にしたもので、地域的偏りもあるので直ちに大流行になるという意味ではありません。また、学校など集団生活の場は、これから冬休みに入るので流行の爆発はもう少し先の話。
東京近辺では、一日の最高気温が10℃未満となる1月中旬ごろからの流行が一般的です。
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インフルエンザ迅速診断検査の検体採取に一部変更がありました。これまで鼻の中に綿棒を突っ込んでかき回していましたが、かんだ鼻汁での検査がOKになりました。もっとも、当院では、従来から鼻汁で検査しており、綿棒つっこみはやってきませんでした。子どもに適した方法でない上に診断効率がそんなに高くなかったからです。
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治療には、タミフル、リレンザ、イナビルなどの選択肢がありますが、最近では耐性ウイルスが増えています。昨冬ではインフルエンザBに耐性ウイルスが多く見られました。一つの逃げ道は漢方薬の「麻黄湯」で、内服さえできれば耐性ウイルスにも有効です。
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登園登校停止期間については24年4月に改訂が行われ、これまでの「解熱後2日を経過するまで」から、「発症後5日を経過し、かつ解熱した後2日間(幼稚園では3日)」となりました。抗ウイルス剤などで早めに解熱してもウイルスをまき散らす恐れがあることへの配慮によるものです。もっとも、元気になった子どもを家の中に隔離するご家族の思いはいかばかりか。
不顕性感染と言って、インフルエンザウイルスに感染しているのに発症しない人々がいることが分かっており、この方法で、どの程度封じ込められるのか興味深いところです。

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