直線上に配置
【64】 予防接種事故
24.10.25.
 ここのところ予防接種関連の死亡事故が、相次いで報道されていますが、岐阜で起こった日本脳炎ワクチン接種後の死亡事故について私見を述べます。
 接種後5分ほどで心肺停止状態に陥ったと報道され、アナフィラキシーショック(急性全身性アレルギー反応)ではないかという専門家のコメントがありましたが、むくみなどのアナフィラキシー様の外観上の異常についての報道がなく、当初、時間的にも身体拘束によるショック死の可能性を考えていました。
 その後、接種医の状況説明で、泣き騒ぐ子どもを押さえつけた上での接種であったこと、また、何らかの障害があり特別支援学校へ通学中であったことが報道され、易興奮性にともなう過度の興奮状態により(不整脈→)心原性ショックに陥った疑いがあると考えています。
 この事故は、日本脳炎ワクチンそのものが原因とは考えにくいのですが、緊急性のあるワクチンでもありませんから、詳細が明らかになるまで接種を控えた方がよいかもしれません。押さえつけ接種については今後とも控えておきたいと考えています。24.10.26.改変しました。
 泣く子を押さえつけて行う予防接種は、ご家族と同様に小児科医にとっても辛いことで、当院では、強い拒否を示す子どもさんには、ご家族による説得をお願いしています。不意打ち的な接種をすると、子どもは必要以上に泣き騒ぐものだからです。

直線上に配置
【65】 続・予防接種事故
24.11.3.
 日本脳炎ワクチンの事故について、厚労省の専門家委員会は「ただちに接種を中止する必要はない」という見解をまとめたようです。委員の一人は、「ワクチンの危険性が高まった訳ではなく、続けてよい」と述べていますが、どこにエビデンスがあるのか分かりません。
 男児は事故当時、併用が禁忌とされている向精神薬2剤を含む3剤を内服していたことも発表され、QT延長症候群(QT延長)を起こしていた可能性が明らかにされました。QT延長は、興奮などをきっかけに致死性不整脈を起こすリスクのある心臓の病気です。
 QT延長を起こす可能性のある薬には、エリスロシン、クラリス・クラリシッド、ジスロマック、サワシリンなどの抗生物質やナウゼリン(吐き気止め)など、小児科でもお馴染みの薬がリストされており、今後ワクチンの際の問診項目に入ってくるかもしれません。
 QT延長には遺伝例も多く、親族に失神する人や突然死例がある場合は注意が必要です。
 また、7月に起こった日本脳炎ワクチン後の死亡例の発表が、今回の事故後であったりと、色々な発表が少しずつ遅れる傾向があるので、今後なにが追加発表されるか静観する必要があると思います。
 幸いこれから冬で、日本脳炎を媒介する蚊たちが大人しくなる季節、東南アジアなどにゆく予定がない場合、初回接種であれば、少しの間接種を見合わせるのも一法です。
 報道によると、2010年度、DPT8例、インフルエンザ2例、BCG1例の死亡事故が報告されているそうです。多いとみるか、少ないとみるか、ワクチンは所詮「劇薬指定」の薬品なのです。

直線上に配置
【66】 ソロソロノロの季節
24.11.8.

 肌寒い季節なりましたが、そろそろ感染性胃腸炎への準備を始めませんか。
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどを原因とする胃腸炎は、しばしば夜中に嘔吐や下痢で突然発症するので、準備がないとあわてることになるからです。
 一般に赤ちゃんの方が症状が重たく、吐物や下痢便の始末中にウイルスに感染するご両親も少なくないので、前もって対応を決めておかれるとよいでしょう。
使い捨て手袋、マスク、エプロン、バケツ、ビニール袋などを用意しておくことをお勧めします。
 また、アルコール消毒は有効ではないので、塩素系の消毒剤(ミルトン、キッチンハイターなど)は必需品です。
 対応の第一は、石けんと流水で手をよく洗うことです。汚れた衣服、寝具などをどう処理するか前もって決めておくとよいでしょう。
 例年、一番早く現れるのはノロウイルスです。大人も子どもも吐き気が強いのが特徴で、必ずしも下痢をするとは限りません。生ガキ中毒の原因ウイルスでもあります。乾燥した吐物や便が塵として舞い上がり人に感染することもありますからご注意ください。
ノロ対策の詳細はこちら
直線上に配置
<前  索引>  次>

あいあいキッズクリニックへ
思春期ブルー研究所へ