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【58】 感染症あれこれ
24.9.16.
 発熱、喘鳴、呼吸困難を特徴として、冬場に乳幼児の間で流行する感染症が早々と見られ始めたことはすでにHPに書きましたが、インフルエンザAの流行が散発的に見られ始めたようです。インフルエンザAというと新型?(AH1N1pdm09)と思いたくなりますが、どうもA香港型(AH3N2)のようです。新型の流行以来、季節型のAソ連型(AH1N1)の流行は見られておらず、感染症同士の棲み分けが行われている感があります。
 実際、毎年のインフルエンザの大流行期には、他のウイルス感染症の流行があまり見られません。季節性から見ると、東京では11〜12月のノロウイルス、1〜2月のインフルエンザA→B、2〜3月のロタウイルス、6〜8月の夏風邪(プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ)の流行が特徴的です。
 ところが、最近は、季節外れのRS、インフルエンザがしばしばみられ、今年は8月に入ってもインフルエンザBがみられていました。そうこうするうちインフルエンザAが出現し、異常気象の影響でもあるのか、病原体の世界にも異変が起きているようです。
 近々には、インフルエンザワクチンの接種が始まります。インフルエンザAが2種(AH1N1pdm、AH3N2)とBに対する3種混合ワクチンです。今年は消毒剤の副作用の問題からチメロサール(水銀)フリーのワクチンの製造が一部中止になり、3歳未満の子どもたち向けのチメロサールフリーワクチンの入手が困難になっています。
 なお、麻疹風疹(MR)ワクチンの中学生、高校生への接種が本年度で終了になります。1万円近いワクチンが無料接種できる最後のチャンスですからお忘れになりませんように。

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【59】 RS大流行
24.9.21.
 何度かHPに書きましたが、主に冬季にみられるはずのRSウイルス感染症の患者数が急増しています。
 7月ごろから少しずつ見られ始め、9月に入り患者数が一気に増加しました。都内では、報告数の9割以上が2歳以下の小児です。早産児や心臓病などの基礎疾患をもつ乳児がかかると重症化しやすい怖い感染症です。
 発熱、咳嗽、呼吸困難、喘鳴を特徴とし、潜伏期は2〜7日です。
問題は、特効薬がないこと。また、予防するワクチンもなく、特定の条件を満たした重症化するリスクのある子どもにのみ、予防のための抗体注射(シナジス:超高価)が使われます。
 ステロイドの効くケースがあるので当院では、呼吸困難、喘鳴の強い場合、吸入にあわせて経口ステロイド剤を処方しています。
 感染性が強く予防が難しいうえ、年長児がかかった場合、咳の強い風邪くらいにしか見えないので隔離されることもなく、乳幼児にうつしてしまうのです。
 この季節、乳幼児をかかえる家庭では、兄姉が風邪っぽい時には赤ちゃんから離しておく、手洗いうがいを励行するなどの注意をされるとよいでしょう。マスク?RSの根拠の薄い風邪に対してそこまでできるか、という問題があります。

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【60】 4種混合ワクチンについて
24.9.28.

 いよいよ11月1日から、DPT3種混合ワクチンと国産不活化ポリオワクチン(セービンワクチン)を混合した4種混合ワクチンが開始されます。
3ヵ月以上の赤ちゃんを対象とした定期接種です。ただし、これまでにDPTも、生ポリオワクチンも、単独不活化ポリオワクチン(サノフィパスツール社製ソークワクチン)も、どのワクチンも接種したことのない赤ちゃん限定です。
 最近、ちょっと困った質問を受けます。「先生、今DPTから始めるのと、ちょっと遅らせて4種混合ワクチンでうつのとどちらがよいのでしょうか」
 確かに4種混合でうてば、医療機関を受診する回数が減ってご家族への負担も、赤ちゃんの泣く回数も減ります。
 ただ少し問題があります。4種混合ワクチンが11月1日から潤沢に入手できるかどうか不確かなことと、また、国産セービンワクチンは使用実績が少なく、世界中で使用され十分な実績をもつソークワクチンほど効果、副作用についての情報がないことです。
 更に、不活化ワクチンは強毒株で作った方が免疫はつきやすいと言われるのに、国産不活化ワクチンは弱毒性の生ワクチン株(セービン)が使われているという話もあります。
 ということで、11月1日以前に開始可能な接種票をお持ちの方は、早めに接種を始めるのも一つの選択肢と考えます。

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