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【55】 頚部ガン・ワクチンの話
24.8.23.
 ガンが予防できる子宮頚部ガン・ワクチンには、サーバリックスとガーダシルの2つがありますが、混乱を招く情報が流れており、その選択に迷う方も多いと思いますので、ちょっと触れておきます。
 それは、サーバリックスの方が免疫がつきやすく、その効果も長く続くという(製薬会社からの)情報ですが、両者が同じ条件で比較されたものではなく、また、血液検査による免疫の強さと実際の予防効果はかならずしも同じではありません。
 実際の予防効果という点では、両者とも使用後まだ日が浅く確定的なデータは残されていませんが、現時点では、両者のガン予防効果には大きな差はないというのが一般的な見解です。
 予防できるウイルスの種類で比較すると、サーバリックスは2価で頚部ガンの予防のみなのに対し、ガーダシルは4価で頚部ガンと同時に難治性の皮膚疾患である尖圭コンジローマを予防する効果ももっており、総合的には、ガーダシルがやや優れているといえるでしょう。

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【56】 ひきつけ
24.8.30.
 子どもが急に、体をこわばらせ、息を止め、白目をむいて、意識がなくなったとしたら、どれほど驚くことでしょう。それがひきつけ(けいれん)です。
 体をふるわせることもあり、発熱の時のふるえと混同することもありますが、簡単な見分け方があります。ふるえは、ふるえている腕を軽く手で押さえれば止まりますが、ひきつけは押さえても止まりません。
 ひきつけの原因で一番多いのは、発熱に伴って起こるもので熱性けいれんと呼びます。おもに1〜5歳の子どもに多くみられる左右対称のけいれんで、普通は10分以内に止まります。
 もし、それ以上続いたり、けいれんが左右不対称であったり、けいれんの後にマヒが残ったり、1日に何度もひきつけるような場合は、単純型のひきつけよりもてんかんに移行しやすく、複合型熱性けいれんと呼びます。
 子どもがひきつけた時、呼吸は止まり、顔色は青くなるので、ゆすったり叩いたりして元に戻したくなりますが、何もしないのが正解です。なかなかけいれんが止まらない時や、意識が戻らない時には119番へ電話しましょう。
 けいれんがおさまった後も、顔色が悪かったり、意識がはっきりしない場合も急いで医療機関を受診する必要があります。
 予防や治療には、ダイアップという座薬を8時間間隔で2回使います。使い始めたら熱が下がっていても2回使うのがコツ。8時間後に発熱がなくても、その後に発熱することが珍しくないからです。
 泣き入りひきつけというひきつけもありますが、癇の強い赤ちゃんが激しく泣いているうちにけいれんを起こすもので1〜2分でおさまり、発熱はありません。鉄分の不足が隠れていることがあります。

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【57】 ワクチンあれこれ
24.9.9.

 いよいよ国内でも不活化ポリオワクチンが定期接種として始まりましたが、品不足でご迷惑をおかけしています。製造元に問い合わせましたところ今月末よりはある程度潤沢に提供できるという話でした。もっともこのワクチンの緊急性は他のワクチンに比べて低いのであわてる問題ではありません。
 今回、このワクチンは皮下注射用として発売されていますが、もともとは筋肉注射を勧めていたワクチンなので、その件を製造元担当者に質問したところ、原則皮下注射だが筋肉注射の方が免疫のつきもよく筋肉注射で行っている医療機関も少なくない、という返事でした。医療機関で筋肉注射を勧められた場合、断る理由はないと思います。
 話は変わり、昨日ある勉強会で、東京での風疹の流行に関連してMRワクチンの接種率が相変わらず低く、今後、麻疹、風疹の流行が危惧されるとの話がありました。特に、中学生、高校生の三期、四期の接種率が低いということでした。あまり甘くみない方がよい感染症ですから、該当のご家庭ではご配慮下さい。
 水痘とおたふく風邪どちらのワクチンを先にしたらよいかというご質問をよく受けます。4週間間隔なので大差ありませんが、内耳性難聴(不治)を起こすリスクのあるおたふく風邪をお勧めしています。また、多くの自治体では両者とも1回のみの助成が行われていますが、小児科学会では、水痘は2歳までにもう一度、おたふく風邪はMRの2期にあわせての追加接種を勧めています。2回目は自費になります。
 先進諸国ではワクチンすべてを無料化しているところも多く、日本も早くワクチン後進国から脱却してもらいたいものです。

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