直線上に配置
【40】 ロタウイルス胃腸炎が流行中
24.4.26.
 ウイルス感染症には、ウイルス同士が同時に流行しないような棲み分けがあるようで、例年、11〜12月にはノロウイルス、1〜2月にはインフルエンザウイルス、3〜4月にはロタウイルスというように流行する傾向があります。
 今年はインフルエンザの流行が長引いたせいか、4月に入ってノロウイルスが流行し始めています。
 頑固な嘔吐と白っぽい下痢を特徴とし、多くは軽症から中等症ですが、およそ40人に1人は重症化し入院になるほどの脱水に陥ったり、腸重積や脳炎・脳症を起こしたりすることもある怖い感染症です。
 病児の嘔吐物や便が手に触れるなどして口から入り、2〜3日の潜伏期をおいて発症します。
 病児の嘔吐物や便に直接触れないようにすること、大原則の手洗い、そして消毒(ミルトンやキッチンハイターなどの塩素系消毒剤)が大切です。
 この時期、嘔吐と下痢をみたらロタ?と疑っておきましょう。
 ほとんどの子どもが、乳幼児期にロタウイルスの感染を受け、感染を繰り返すほど軽症化することが分かっています。ロタウイルスワクチンは弱毒化したウイルスを人為的に感染させることで、その後の軽症化をねらったものです。
 現在、ワクチンとしてロタリックスが発売され生後24週までに2回の内服が推奨されていますが、新たに、ロタテックという生後32週までに3回内服するワクチンの発売が予定されています。

直線上に配置
【41】 どうしたらいいの、ポリオワクチン
24.5.7.
 ようやく不活化ポリオワクチンの製造が承認され、9月からは生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンへ切りかえられる模様です。
 そこで疑問。5〜6月に予定されている生ポリオワクチンは飲んだ方がいいの?どうせ秋に生ワクチンは飲めず、生・不活化合わせて4回の接種が必要なら、いっそのこと9月まで待って不活化ワクチンだけで4回接種した方が安全ではないかという訳。生ワクチン1回の接種は、不活化ワクチン1回分として計算されるだけだからです。
 厚労省は、9月不活化ワクチン導入を理由に5〜6月の生ワクチン接種を見送らないようにと通告していますが、秋にも希望者には生ワクチンを接種できる体制をとらなければ、親たちの賛同を得ることは難しいような気もします。ちなみに、米国で生から不活化への移行の際には、医師の判断でどちらを用いてもよい時期を設けたようです。
 9月以降の不活化ポリオワクチンの接種方式は、3〜8週間隔で1期3回を接種し、その後6ヵ月以上の間隔をあけて(1歳以降に)1期追加を1回接種します。
 現在、生ワクチンが怖くてすべてを不活化でやろうと思う方は、不活化をここで1〜2ヵ月間隔で2回接種しておき、9月以降に3回目以降を接種すればよいでしょう。
 すでに不活化2回を接種して2ヵ月以上が経過している方は、生ワクチンをここで接種する方法と、3回目を9月まで待つ方法を選択できます。

24.5.15.ポリオワクチンの追加情報
 現在のところ、国内産不活化ポリオワクチンは、11月以降導入予定のDPT+不活化ポリオ4種混合ワクチンに使用されるだけで、不活化ポリオワクチン単独は、国内産ではなく9月から導入予定の輸入ワクチンのみになる模様です。
 輸入ワクチンと国内産ワクチンの互換性については、ほぼ問題なしという結論に達しているようですが、現在輸入不活化ワクチンを接種している方は、4種混合ワクチンの対象になる可能性は低く、そのまま輸入ワクチンで接種を続けることになります。
 現在ポリオワクチン未接種の方で、国内産不活化ポリオワクチンの導入を待とうとする方もおられるようですが、そのためにはDPTも待たなくてはならいことになります。
 いずれにしろ、この5〜6月の生ポリオワクチン接種時期には、生か不活化かは問わず、どちらかの接種をお勧めします。
 なお、生ワクチンを飲んだ他の赤ちゃんたちが、よだれ(ウイルスは口の中でも増殖、接種後1週間ほど)や糞便(接種後2か月ほど)を介して、生ワクチンウイルスをまき散らすことが知られています。また、ワクチンウイルスが、人から人への感染を繰り返すうち毒性復帰する危険性が指摘されており、できれば個々が積極的にワクチンで免疫をつけておきたいものです。

直線上に配置
【42】 歯ブラシ事故の話
24.5.14.

 かつて、4歳の子どもが綿菓子を食べながら走っていて転倒、菓子の棒が喉に刺さるという事故がありました。救急外来を受診したものの、意識などに異常がなかったため、そのまま帰宅したものの翌日に死亡。死後、色々と画像検査をしたものの原因が分からず、司法解剖によってようやく、折れた割り箸の一部が小脳にまで達していることが判明しました。
 裁判となり医師は無罪となりましたが、我々医師にとって、これまで以上に警戒心を呼び覚ますきっかけとなりました。
 一昨日、小児科医の集まりがあり、歯ブラシを口の中に刺した3ケースを報告した施設がありました。歯ブラシの先端はけっして尖っていませんし、ブラシまでついていますからまさかと思いますが、1例では喉の奥深く突き刺さり、折れた先端が首を走る大切な動脈を圧迫していました。
ここで教訓。先端が多少丸くとも棒状のものであれば、転倒でもすれば体内に奥深く刺さる危険性があります。どんなものであれ口にくわえている時には動き回らないことが大切です。(棒に限らず、食べ物では誤飲の危険性があります)

直線上に配置
<前  索引>  次>

あいあいキッズクリニックへ
思春期ブルー研究所へ