89. ストレス病

【何の病気?】
  ストレスの元々の意味は、外からの刺激(ストレッサー)に対して、心身に起こる変化のこと。
M君は、私立中学校の1年生。
入学後、元気に登校していましたが、5月の連休明けから、朝起きることができなくなりました。
何日かは、遅刻しながら登校しましたが、登校前になると腹痛を訴えるようになり、とうとう登校できなくなりました。
近くの病院で、血液検査、レントゲン、超音波検査を受けましたが、異常はありませんでした。

【ストレッサーと脳】
「どこが悪いのでしょうか?学校へ行くのがいやで、お腹が痛くなるのでしたら分るのですが、Mは、登校したいと言っているのです」
 あまりに急激な変化に、母親は戸惑った表情でした。
 実は、思春期には、こうしたタイプのストレス病が意外と多いのです。
 M君が気づかなくても、彼を取り囲む環境の中に、ストレッサーは隠れているはずです。
 そのストレッサーに対して、脳は、体を目覚めにくくしたり、時には腹痛というストレス反応によって、行動を制限させてストレッサーを回避しようと調節するのです。更には、気持ちを抑うつ的にさせ、やる気を失わせることも、一連のストレス反応です。
 そうしたストレス反応が、かえって自分自身を苦しめることになるのが、ストレス病の特徴といえます。

【問題は?】
 治療のためにはストレッサーを探し、対処することが第一。
 M君と両親から、別々にお話を伺いました。
 入学後、本格的な授業が始まるとともに、予想以上にハイレベルな授業に戸惑ったこと。毎日行われるミニテストでは、小学校の頃のような点数はまったくとれなかったこと。5月下旬には中間試験が控えており不安だったこと。連休に追いつこうと勉強したが無駄だったこと、などを話してくれました。
 そこに親の「できる子」という期待が重なっては、ストレスの大きさは半端ではなかったはずです。
 常に、心身の状況を見張っている脳を納得させる環境づくりが急務。
 その方法は、次回「0からの出発」でお話します。

「東葛まいにち」掲載記事より
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