81. 胸痛

【突然の痛み】
 ひどく心配することを、胸を痛めるといいますが、今回は、本当に胸が痛む話。
 Mさんは、中学2年生。左胸の痛みを訴えて来院しました。
 痛みが始まったのは、2学期が始まってまもなくのこと。
 何の前触れもなく突然起り、しばらくは何もできなくなるほどの痛みが続きました。
 近くの病院で、血液検査、心電図、心臓超音波検査、胸部レントゲン、胸部CTなどの検査を受けましたが、異常は見られませんでした。

【痛みとストレス】
「ストレスが原因ではないか、と言われましたが、いかがでしょうか?」と母親。
「体が、理由なく痛みを起こすことはありません。原因不明であれば、ストレスの存在も疑われます」
「ストレスといいますと?」
 体のストレスには、生活リズムの崩れ、疲れすぎ、アレルギーなどがあり、心のストレスには、思い通りにならないすべての問題が、その危険性をもっています。

【ストレスの解消法】
  ストレス解消には、何がストレスであるかを知ること。
 体のストレスは、生活姿勢や、症状、薬の効果から、ある程度推測することができます。
 問題は、心のストレスで、子供が気づくには、多少の支援が必要です。
 Mさんから、一対一で、日常生活、学校生活、友人関係、親子関係などについて、詳しく話を聴きました。
 自分について、整理して話すことは、未解決な問題に気づく一つの方法。
「Mさんのお話を聴いていると、随分と学校が気になっている様ですね」
「えっ、学校?部活のことですか?」「さあ?」
 部活での人間関係について、更に話を聴いて、診療を終えました。

【決断】
  1ヵ月後、「もう大丈夫です」と、Mさんは、明るい顔で来院しました。
「どうやって解決したの?」
「退部しました」
「・・・・」
 思春期の胸痛はけっしてめずらしいものではありません。多くは、自律神経のバランスの崩れに関係しています。
 崩れの原因のひとつがストレス。

 次回は、「ディスカッション

                      「東葛まいにち」掲載記事より
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