73. 練習過剰症候群


【ゾウは長生き】
 ゾウとネズミはどちらが長生き?
 答えは、ゾウ。心臓の拍動数が、ネズミよりはるかに少ないからだそうです。
 動物が一生に打つ心拍の数は、おおよそ同じだそうで、ゆっくりした心拍の動物の方が長生きする、というのです。
 最近、スポーツは本当に健康によいのか?という見直しが進んでいます。
 運動すれば、心拍は増えます。それを長い間続ければ、より早く一生分の心拍を使い果たしてしまうのではないか?


【泳ぐ資質】
 Mさんは、小学校5年生。幼稚園の頃から、近くのスイミングスクールに通い、小学校4年生の時に、競技水泳のクラスに移りました。
 毎朝、4時起床。スクールで2時間ほど泳いでから、学校へ行くという生活が始まりました。
 資質があったのか、記録はぐんぐん伸びました。起きるのがつらい日も、記録が伸びるのが面白く、がんばりました。
 そして1年。コーチから、オリンピックも夢ではない、と言われた矢先、Mさんに変調が起こりました。
 突然、記録の伸びが止まってしまったのです。


【スポーツ貧血?】
「コーチから、貧血かもしれないから、病院でみてもらってこい、といわれました」
 来院したMさんの肩は落ち、表情はくもっていました。
 血液検査を行いましたが、貧血や鉄欠乏などの異常は見られませんでした。
「がんばり過ぎたのかもしれませんね」
 POMS (profile of mental status) といわれる心理テストをしてみました。主に、運動選手の、心身の疲労度を知るのに利用されているテストです。


【POMSの結果】
 Mさんは、典型的な不調パターンをとっていました。
 練習過剰症候群。耐え切れない運動ストレスに対し,体と心がプッツンしたのです.回復しない疲れと,明るいことが考えられない精神状態を特徴とする病気です。
 スクールには、練習を止める必要はないが、しばらくの間、練習時間と運動強度を落とす必要がある旨を伝えました。
 そして、わずか4週。MさんのPOMSには、回復のきざしが見られ始めました。
 次回は「鍛錬療法」

「東葛まいにち」掲載記事より
homeへ