66. 治らない風邪


【風邪の定義】
 風邪。
 ありふれた病気すぎて、わざわざ「風邪って何ですか?」なんて聞く人はほとんどいませんが、ちゃんとした定義があります。
 病原体によって起こる上気道の急性炎症。
 かえって分からない?
 炎症とは、体のどこかが赤く腫れて、熱や痛みを伴うこと。
 ウィルスや細菌が、鼻やのどにとりついて、炎症を起こすけれども、比較的短期間で治ってゆく病気という意味。


【くせものの微熱】
 R君は、中学校2年生の陸上部員。
 1ヶ月以上にわたる37℃台の微熱と頭痛のために来院しました。
「元気がない訳ではありませんが、微熱がではじめてから、顔色が悪く、食欲も余りありません。近くの病院で、風邪といわれ、お薬をもらいましたが、なかなかよくなりません」と母親。
 もちろん、一つの風邪が1ヶ月も続く訳はありません。また、次から次に違った風邪を引くことも、さすがに思春期になれば、考えられません。


【どこかに炎症】
 運動部員にとっては、スポーツそのものがストレスとなることがあるので、スポーツ障害?とも疑いましたが、血液検査の結果、体内に炎症が隠れていることを示す、異常がみられました。
 炎症の場所は?
 のどや鼻に、風邪を思わせる赤みはありませんでしたが、頭部のMRI検査で、副鼻腔炎(蓄膿症)が発見されました。
 副鼻腔炎は、鼻に接する空洞(副鼻腔)の中に、膿がたまってしまう病気。鼻ずまり、頭痛のほか、頑固なセキ、長引く微熱、集中力の低下などを起こすこともある病気です。


【盲点の病気】
「風邪ではないのですか?」と母親。
はじめは、風邪だったのかもしれませんが、風邪のような症状が、1週間以上にわたり続く場合、風邪の合併症や風邪以外の病気の可能性も考えておく必要があります。
尿路感染症、中耳炎、副鼻腔炎などは見落とされやすい病気なので、注意が必要です。
特に副鼻腔炎は、はっきりと診断するためには、レントゲン検査やCT検査、あるいはMRI検査などの画像検査が必要なので、頭の隅っこに覚えておかれるといいでしょう。
次回は、セキ

「東葛まいにち」掲載記事より
homeへ