65. 足の痛み


【成長痛】
 骨が伸びる時期に足に起こる痛み、成長痛。
 成長痛は、なぜか片側の痛みで、よく運動をした日の、夕方から夜にかけて、足の付根、膝、足首などに起こる傾向があります。
 思春期は、骨が一気に伸びる時期のこと、ほとんどの子どもが、骨、関節、筋肉など、どこかの痛みを感じている、といってもよいほどです。
 そんな思春期の足の痛みにも、時には大変な問題が隠れていることがあります。

【不登校?】
 S君が小児科外来を訪れたのは、夏休みも間近な7月のことでした。
 サッカー部員S君の右膝が痛み始めたのは5月下旬のこと。時には、足を引きずるほどに痛み、コーチの助言で、練習量を減らしましたが、痛みが和らぐことはありませんでした。
 近くの病院を受診、足のレントゲン検査を受けましたが、異常はなく、「練習のやりすぎかもしれません。しばらく、部活を止めて様子をみましょう」と指示を受けました。
 指示の通り、1ヶ月ほど練習を休みましたが、痛みは消えず、逆に、体がだるくなり、学校へ行き渋るようになり、不登校を心配した母親に連れられて来院しました。
「やはり、登校拒否でしょうか?」と母親は、本題から切り出しました。

【白血病】
「不登校にしては、経過がちょっと変ですね」
 私は、だるそうなS君に、入院を勧めました。意外にも、彼は、その提案をすんなりと受け入れました。
 すんなり受け入れたのもそのはず、2日後に判明したのは、S君の体は白血病細胞に蝕まれ、骨には、転移が起こっていることでした。
 レントゲンでは写らなかったものの、MRI検査では、右大腿骨の膝近くに、白血病細胞が侵入したと思われる、異常な陰影が見られました。

【治った!】
 1年余りに及ぶ入院治療を必要としましたが、幸い、良性なタイプの白血病だったため、完治することができ、その後、中学生活に復帰することができました。
 思春期の足の痛みは、けっして珍しくありませんが、多少なりとも日常生活に支障を感じるような時は、早めに医療機関を受診したいものです。
次回は、「風邪?」

「東葛まいにち」掲載記事より
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