64. ジンマシン


【ジンマシンと食物】
 赤く盛り上がった湿疹が体中にできて、とてもかゆいジンマシンは、食物アレルギーの症状のひとつとして有名です。
 有名すぎて、ジンマシンというと、すぐに食物アレルギーを連想しますが、小学生以上の患者さんの場合、食物と関連のないケースの方が、はるかに多いのです。

【治らないジンマシン】
 R君がジンマシンに悩まされるようになったのは、中学1年生の秋。学校から帰宅後、体が急にかゆくなり、体中にみみずばれのような発疹が現れました。近くのクリニックでは、「何か食べ合わせが悪かったのでしょう」と言われ、薬をもらい、3時間ほどでかゆみは治まりました。
 しかし、その日以後、夕方になると大抵、同じようなかゆみと発疹が現れるようになりました。
念のため血液検査を受けましたが、何の異常もありませんでした。
 薬を飲んでいれば症状は出ないものの、薬をやめるとジンマシンが出るという日々が2ヶ月近くも続きました。
「どうして治らないのでしょうか?」と母親。

【ジンマシンの原因】
 治らないのは、原因が取り去られていないから。
 ジンマシンには、食物や薬などのアレルギーで起こるものと、心身の不調が原因と考えられるジンマシンがあります。
 R君は、後者のタイプ。不調の原因が特定しにくく、繰り返し起こることも珍しくありません。
 R君には、家庭のこと、学校のこと、友だちのこと、部活動のことなど、詳しく聞きました。

【体からのアラーム】
 小学校のとき、地域のマラソン大会で優勝したのをきっかけに、中学では陸上部に入部。周囲の期待もあり、かなり頑張って練習していました。ところが最近、走ることがつらくなってきた、ということでした。
「つらい」という感覚は、多くの場合、体の発する危険信号。その信号を無視し続けた結果、体はジンマシンという新たな危険信号を出し始めた、とも考えられました。
「ちょっとの間、練習を休んでみたら」
 練習をわずか2週間ほど休むことで、R君は、薬を飲まなくてもジンマシンが出なくなりました。
「こんなことってあるのですね?」母親は、いぶかしくも、嬉しくもあるといった表情。
 次回は、「足の痛み

「東葛まいにち」平成14年1月26日号掲載記事より
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