62.月経前緊張症候群

【体調の崩れ】
 思春期に体調が崩れやすいことは、すでに周知のこと。
 その理由については、急激な体の成長に、血管、心臓、筋肉をはじめとする組織、器官の成長がうまく追いつけないため、と説明されています。

【二重の負担】
 女の子の場合、そこにもう一つ体のバランスを崩す変化がみられます。
 初潮がみられ、赤ん坊を産める体への変化に対し、脳は、体を休ませる方向へ調整を始めるのです。
 活発に活動するには邪魔な調節。思春期の女の子は、言うなれば、二重の負担を背負って生活しているようなもの。

【不登校?】
 Tさんは、中学2年生。
 中学1年生の夏休み明けから、しばしばお腹の痛みに苦しめられるようになりました。
 それでも、何とか通学していましたが、2年生になってからは、欠席することが多くなり、不登校を心配された母親に連れられて来院しました。
「朝、学校へ行きたいと涙ぐむことさえありますが、ここのところ、ほとんど登校できません。やはり不登校なんでしょうか?」と母親。
 Tさんに、詳しくお話を聞きました。
 中学受験をして志望校に合格したこと、通学には1時間近くかかること、成績は悪くなく、友人関係での問題もないこと、便通は普通で、朝以外は食欲もあることなど、はっきりとした口調で答えてくれました。

【更なる負担】
 腹痛は、かなり強い痛みで、生理中より生理前に強く、時には、頭痛や吐気も起こるということでした。
 月経前緊張症候群は、排卵後、妊娠するかもしれない時期に起こる愁訴で、万が一に備えた、いわば防御反応?
 個人差が大きく、Tさんのような場合、まさに三重の負担に苦しむことになります。

【低用量ピル】
 学校を休む程の腹痛に対して、低用量ピルを使うことにしました。元々は、避妊目的の薬ですが、生理に関係する不快な症状を和らげる作用があるのです。
 低用量ピルの服用をはじめて2ヶ月、お腹の痛みは随分と軽くなったようでした。
「まだたまに休むことはありますが、とてもいいようです」と母親。
 Tさんも明るい表情でした。
 次回は、
「思春期病の予防」について

「東葛まいにち」平成13年11月14日号掲載記事より
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