60. 眠り過ぎ

【ふとした興味】
 ふとした興味から、古代の歴史について調べてみました。そこにあったのは、財政再建と治水の文字。
 相も変わらず同じ問題に悩む人間、その社会的進化の遅さにちょっと呆れました。
 その人間の営みの中で、3分の1を占めるのが、睡眠です。今回は、眠り過ぎの話。

【不思議な眠気】
 Sさんは、大学1年生。
「眠気のために、思い通りの生活が出来ません」が、来院の理由でした。
「いつ頃からですか?」
 Sさんの話では、中高一貫教育の私立中学校に入学して間もなくから、授業中や、友達と談笑中にも、ついうとうとするようになったといいます。嫌いな授業でも、つまらない話でもないのに、自分の気持ちとは裏腹に眠たくなったのです。

【睡眠障害?】
 一度は、病院を受診しましたが、特別な異常はないと言われました。しかし、その後もうとうとすることが続きました。
「怠けている、不真面目だ、自覚がない、など散々な言われ方を、学校でも家庭でもされました」
 それでもSさんは、そんな言葉にも耐えつつ通学を続けました。
「随分欠席や遅刻をしましたが、、、」
 視線をはずすことなく話す態度は、真面目そうで好感がもてました。
「今は眠たくないの?」
「はい、何かしようと思うときの方が眠たくなるのです。大学に入って環境が変われば、と期待していたのですが、同じでした」
 眠り過ぎでは、睡眠時無呼吸症候群や、ナルコレプシーが有名ですが、Sさんには、いずれの特徴もありませんでした。

【専門医】
 Sさんを、睡眠障害の専門医へご紹介しました。そして、特殊なタイプの睡眠障害であることが判明しました。
 もう少し早く専門医に相談できていれば、Sさんは、長い苦痛の日々を送らずに済んだはずです。
 睡眠障害に限らず、疲れやすい、集中できない、落ち着かないなど、病気らしくない、中途半端な症状であっても、血液検査程度で異常なしと片付けてはなりません。

【諦めない】
 今日、医療は専門化が進んでいるので、納得がゆくまで医療機関に相談し、より適切な指導、治療を受けるようにしたいものです。
 次回は
「体調不良」

「東葛まいにち」平成13年9月12日号掲載記事より
homeへ