58. 風邪後症候群

【風邪と体の事情】
 まずは、風邪のはなし。
 風邪の80〜90%以上は、ウィルスが体内に侵入することで起こります。
 体は、自分の身を守るため、熱を出して免疫力を高め、鼻みず、咳、痰、くしゃみ、下痢などによって、侵入した病原体を外に追い出そうと計ります。
 結果的には、不快で、だるく、横になりたい気分になりますが、安静にしてくれることは、体にとっては、病原体と戦うためには好都合。
 かつては、熱には解熱剤、咳には鎮咳剤、下痢には止痢剤と、なんでも止めていましたが、最近は、体の事情にも配慮して、どこまで止めるか、慎重になってきました。
 前回お話したМ君の不登校になったきっかけが、風邪でした。

【治らないだるさ】
 中学受験のための塾通いをしていたМ君。急に発熱したのは、小学校5年生の2月のこと。
 近くの医院で、扁桃腺炎の診断を受け、薬をもらいましたが、毎日、38℃から40℃の熱が続きました。
 1週間ほどで、熱は下がりましたが、体のだるさが抜けず、朝、目覚めて、「学校へ行きたい」と涙ぐみさえするのに、学校へ行くことはできなかったのです。
 心配した母親は、大学病院にまで連れてゆき、検査を受けさせましたが、異常はありませんでした。

【慢性疲労症候群?】
 風邪後症候群。
 耳慣れない病名ですが、一時、社会的な話題となった慢性疲労症候群の初期段階と考えられる病気です。
 風邪などをきっかけに、日常生活に支障をきたすほど強い疲労感に襲われる病気で、その疲労感は、寝ても回復しないのが特徴、と言われています。
 未だに病気の本体は分っていませんが、「だるさ」という風邪に対する体の防御反応が、不必要に長引き、したいことができない精神的ストレスが、更なる体調不良を招いて、悪循環に陥ってゆく、と考えられます。

【知っていれば、、、】
 風邪は万病のもと、とか。不登校の原因にもなりうる訳。
 今は登校しているМ君の場合も、こんな病気の存在を知ってさえいれば、正しい初期対応がとれて、不登校という迷路の深みへ追いやらずに済んだだろう、と思われるのです。
 次回は、
「大人になること」

「東葛まいにち」平成13年6月13日号掲載記事より
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