35. 頭痛

【子供の頭痛】
 世の中には、頭が痛い、という感覚がわからない幸せな人々がいるそうですが、頭痛がそれこそ頭痛の種という人々も数々。
 子供の頭痛には年齢差があり、小さいころには少なく、大きくなるにつれてふえる傾向があります。

【ズキンズキン】
 J君は中学2年生。頭痛がなかなか治らない、と母親と来院しました。
「今も痛い?」
「すこし。頭の中に痛みの芯がのこっている感じです」J君の顔は、すこし青白くみえました。
「もう1ヵ月ぐらい前、学校からうちに帰って、着替えをしていたら、急に痛くなったんです」
「どんな風にですか?」
「頭の中で、ちょっと変な感じがしたと思ったら、それがだんだん痛くなって、右側の頭全体に広がっていきました」
「はじめてですか?」
「前から、頭痛はありましたが、まったく違う痛みでした。ズキンズキンして、気持ちが悪くなるくらい痛かった」思い出すように頭に手を当てました。

【治らない頭痛】
 そのあと、近くの医院で鎮痛薬をもらい、痛みはすこし軽くなりましたが、それでも、いつ寝たかわからない一晩を過しました。
 それからも、しばしば強い頭痛にみまわれましたが、鎮痛薬でごまかしながら過していました。しかし、一向に治る気配はなく、試験が近くなったのに、痛みのため勉強にも集中できない、と来院したのです。
 念のため、血液検査、起立負荷テスト、脳CTスキャンをオーダーし、薬を処方しました。

【片頭痛と薬】
 翌週、J君は、すっきりした顔つきで来院しました。
「あの鎮痛薬、よく効きいて、とても楽になりました」
 検査には、すべて異常なく、症状と薬の効き具合から、片頭痛、と診断しました。
薬は、鎮痛薬ではなく、片頭痛用の薬だったのです。
 片頭痛は、ズキンズキンと強く痛む頭痛が特徴で、ときには遺伝例もあり、しばしば、疲れ、ストレス、寒さなどを契機に発症します。痛くなる前に、光った点が目の前を飛ぶなどの前兆のある場合もあります。
 「早めにきておけば良かった」とJ君。

【我慢は禁物】
 J君にかぎらず、症状が長くつづくと、それが新たなストレスとなることがあるので、我慢は禁物です。
 思春期の子供たちによくみられる、起立性調節障害でも、ズキンズキンと頭が痛むことはありますが、程度はずっと軽いものです。
次回は、
貧血について。

「東葛まいにち」平成11年6月26日号掲載記事より
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