34. 微症状

【微症状と不定愁訴】
 こまった症状ではあるけれど,病院に行くべきかどうか迷うような症状を微症状といいます.
 何となくだるい,すっきり起きれない,頭が重たい,顔色が悪い,目がまわる,食欲がわかない,イライラするなど,微症状は思春期の特徴の一つです.
 微症状=不定愁訴と考えられがちですが,不定愁訴の不定は,原因を特定できないという意味です.

【気持ちの悪くなる授業】
 K子さんは中学2年生.授業中によく気持ちが悪くなる,と来院しました.
「最近では,保健室にゆくことも多いようですし」と母親は心配顔.
「どんな風に気持ちが悪くなるのですか?」
「お腹あたりからムカムカしはじめて,頭もクラクラした感じになります.友だちには,顔色が悪いと言われます」
 はきはきとした言葉遣いで,明るく,まじめそうなお嬢さんでした.
 嫌いな授業の時にだけ起こる訳ではないこと,学校へは毎日登校していること,寝起きが悪く,朝の食欲がなこと,通学は片道1時間ほどかかり大変であること,などを話してくれました.

【気持ちが悪い正体】
 診察を終わり,血液検査をオーダーして検査室にまわってもらいました.しかし,検査室前で待つうちに気持ちが悪くなったと戻ってきました.
 採血を待つ間に気分の悪くなる方は,思春期に限らず意外と多いものですが,K子さんは,授業の時と同じ気持ちの悪さだといいました.
 血液検査の結果,血糖値が異常に低いことが分かりました.改めてお話を聞いてみると,気持ちが悪くなるのは大抵3〜4時限目で,昼食前の,血糖値が低くなる時間帯に症状は起こっていたのです.

【低血糖発作】
 低血糖発作.思春期は,眠るための自律神経(副交感神経)が優勢で,副交感神経が血糖値を下げるとも,女子に多く見られるので女性ホルモンの影響とも,体質や体調が関係するとも,いわれています.
 特効薬は,あめ玉などの甘いもの.予防的には,朝食の時や,学校へ着いてからでも,三角チーズ,ピーナッツなどを食べておくと,ゆっくりと血糖値を上げてくれる食べ物なので,低血糖が起こりにくくなります.もちろん,直接的な予防法は早弁です.
 最近では,ブランチ,ブレークなどと称して,合法的早弁を許している中学校もあるようです.
次回は,
片頭痛について.

「東葛まいにち」平成11年5月22日号掲載記事より
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