31. 自律神経失調症

 自律神経失調症.よく耳にするわりには,その意味は意外と知られていません.

【自律神経とは?】
 自律神経.自分の意志とは関係なく,体の働きを自動的にコントロールしてくれる神経です.体が活動するときに働く交感神経と,体が眠るときに働く副交感神経があります.

【昼の神経と夜の神経】
 朝目覚めると,交感神経ががんばって,気管支を広げ酸素を取り入れやすく,心臓の拍動を増やして活動しやすく,手足の血管を引き締めて頭や体の中心に血液を集めます.
 一方,夜眠る頃になると,副交感神経ががんばって,気管支を狭め,心臓の拍動を減らし,手足の血管を広げて頭や体の中心部分に集まっていた血液を減らし,眠る体勢を整えます.

【自律神経失調症】
 この2つの神経のリズムが実生活のリズムとうまく噛み合わないのが,自律神経失調症です.思春期になると,朝になっても夜の神経がいつまでもがんばって目覚めにくくなります.

【起立性調節障害】
 R子さんは小学校6年生.夏休みには,初潮があり,9月に入ってから,朝,目覚めにくく,立ち眩んだり,お腹が痛くなったりして,元気がなくなったと来院しました.
 眠たい体を引きずる思春期の子供たち.問題は,立ち上がった時,重力の影響で血液が足の方へ落ちてくるのを阻止できないこと.本来であれば,足の血管が収縮して血液を上に送り返してくれるのですが,思春期の眠たい体はそれがうまくゆかず,頭や体の中心部を流れるはずの血液が減って,立ち眩み,めまい,頭痛,腹痛などの症状が現れます.立ったときのバランスの悪さを強調して,起立性調節障害とも呼ぶこともあります.

【分らないストレス】
 R子さんには,思春期には珍しくない症状であること,朝目覚める工夫が効果的であることを伝えました.
 「翌日から元気になりました」と1週間後に来院した母親.体調不良の理由が分らないことが,新たなストレスとなり,更なる不調を招いていたのでしょう.自分の力で問題を克服できたことで,心も元気になったはずです.

【生活リズムの調整】
 ちなみに,早く目覚めるポイントは,毎朝決まった時間に起きる,起こしてもらわず自分で起きる,朝風呂,乾布摩擦など体温を上げる工夫をする,朝食はスープだけでも必ず食べる,夜眠る前1時間は何もしない(トイレ,歯磨きも済ませておく)などです.
 次回は,
アレルギーについて.

「東葛まいにち」平成11年2月27日号掲載記事より
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