27. 性の悩み

【思春期の苦しみ】
 春を思う思春期,明るいイメージとはうらはらに,いろいろな苦しみに悩まされる時期.心も体も一気に大人への変貌をとげる思春期は,その変化にどう適応できるかで,苦しみの程度が決定されると言っても過言ではありません.
 大切な問題の一つに性があります.本人の意志と関わりなく分泌される性ホルモン.思春期の性の一番の問題は,このホルモンによる体の変化に本人がついてゆけるかどうかです.

【性の受け入れ】
 精神的動揺.性ホルモンによって体に起こる変化,それを一つひとつ受け入れるのは難作業です.女子では,体型が女性化し,乳房がふくらむのまでは受け入れられても,月経の発来に不適応を起こすことが珍しくありません.男子では,体型の男性化と声変わり,射精が起こってきます.そして,それらを受け入れられても,強い性欲の発現に戸惑うことになります.

【思春期メランコリー】
 体調不良.そうでなくとも,急激な体格の増大でバランスを崩しやすいところへ,性ホルモンは自律神経を介して体調不良に追いうちをかけます.思春期女子の場合,急激な女性ホルモンの分泌の増加は,更年期障害よりもひどい体調不良を招くといわれています.
 逃げたくとも逃げられないこうした性による変化は,時として思春期をメランコリックなものにしても不思議ではありません.

【親のスタンス】
 親としてのスタンス.聞く耳をもって,子供の自由にしておくことでしょう.性の受け止め方,性への関心,性的発達はいずれも個人差が大きく,どれが平均的というのも難しく,こうあるべきとか,こうしてはいけないなど軽率に発言できる問題ではありません.
 子供のベッドの下に隠してあったいかがわしい本.はじめは動揺した母親も,いずれ時がたつと,他の母親に「男の子ってそんなものよ」と言えるようになるもの.
 子供たちのスムーズな性の受け入れのためには,性について,隠したり,否定したり,タブー視したりと,性をマイナスイメージ化しない方がいいようです.

【子守り】
 面白い調査報告.思春期の女子に乳幼児の世話をさせてみると,自分の女性という性を受け入れやすくなる,というのです.そういえば核家族化の進む以前にあった子守りという風習は,知らぬ間に女性性や母性を高める効果をもたらしていたのかもしれません.
次回は,無気力について.

「東葛まいにち」平成10年10月24日号掲載記事より
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