24. 受容のテクニック

【受け入れるコツ】
 子供を受け入れる.言葉では理解できても,どうすればよいかなかなか分からないもの.
 子供に,自分が本当に受け入れられている,と感じさせるためには,生活の一場面,一場面で受け入れ行動をとるしかありません.しかし,生活の場面は多種多様.その変化に対応するには,いくつかのコツがいります.

【廊下の靴下】
 前回の子供の話を徹底的に聞く方法につづいて,今回は,言うことをきかない子供への対応について.
 ごく日常的な一場面.廊下に落ちている子供の靴下.これにどう対処したらよいか考えてみましょう.
「A子.廊下に靴下が落ちてるわよ」と声をかけるのが,まず普通の対応だと思います.そして,30分後,廊下の靴下はそのまま.「A子.廊下に靴下が落ちてるわよ」と少し声を荒立てて言うことになります.そして,最後は「A子.靴下が落ちているわよ,何度言ったら分かるのッ!」あたりでしょうか.

【片付けたくない靴下】
 この時のA子さんの心の中を覗いてみると,(そうだわ,靴下片付けるの忘れてた.でも,片付けるの面倒くさいな)(まだ言ってる.あんなにどなりながら言うことないのに)(何度言ったら分かるのって,一回言えば分かるわよ.もうあんなに怒っちゃって)これでは,子供の心に反発姿勢を生むだけのこと.受け入れとはもちろん逆.

【何が受け入れ?】
 では,どうするか.「A子.廊下に靴下が落ちているわよ」まではいいと思います.本当に気付かずに落としたのかも知れません.30分後,廊下に落ちている靴下には,黙って片付けておくのが一番です.A子さんには,今度は片付けてねとか,余分なことを言わず,もちろん,怒らずに片付けておくのが正解です.

【自責の念】
 この時のA子さんの心の中.(あら,片付けてある.でも何で怒らないのかしら.ちょっとまずかったかな)この,ちょっとまずかったかな,は繰り返せても2回.自責の念が積もって,3回目の靴下を落とすのはかなり難しくなります.
 ここでのポイントは,叱ったり,注意したりしなかったこと.叱られれば,(わたしは確かに悪かった.でも,叱られたのだからこの罪は終わり)と,その靴下のことさえ忘れてしまい,また同じことを繰り返すことになります.

【応用範囲は広い】
 この方法は,宿題にも,お手伝いなどにも応用できます.
 次回は,
子供の要求への対応

「東葛まいにち」平成10年8月8日号掲載記事より