2. 早起き訓練法

【低体温】
 体温といえば,最近,子供の低体温がしばしば話題にのぼります.朝の体温が35度台ということもめずらしくありません.「体温が低いぐらい..」と言いたいところですが,これがなかなかのくせ者で,子供たちの寝起きの悪さと関係しているようなのです.朝の体温の低い子は寝起きが悪い,という訳です.

【命のエネルギー】
 この低体温の原因について,食べ物に問題がある,という説があります.体温の元はエネルギーですが,現代っ子がカロリー不足である訳はありません.食べ物には今の科学では測り知れない「命のエネルギー」が存在するというのです.「命のエネルギー」が足りないために,低体温が起こるというのです.ご存じのように,生物はほかの生命を食べなくては,生きられない宿命を背負っています.ヒトとて例外ではありません.しかし,最近の子供は生きた食べ物を食べていない,「命のエネルギー」を食べていないというのです.近年に起こった,急激な食文化の変化をみると,妙にうなずける話です.

【疲れた野球部員】
 B夫くんは13歳,中学校の野球部員です.これまで毎日,朝練,午後練と元気に頑張っていたのに,ここのところ,朝の寝起きが悪くなり,「疲れた,疲れた」を連発するようになった,とお母さんが心配されて病院にやって来ました.
「どこか悪いんでしょうか?」
「ひと通りの血液検査をしてみましょう.結果が出るまでの1週間,次のようにしてみて下さい.」

【寝起きと元気】
 寝起きの悪いからだに,朝からのスポーツは向きませんから,朝練を少しのあいだ止めます.そして,朝早く起きる訓練をしてください(表).毎朝決まった時間に起きるようにして,日曜日の朝寝坊も止めます.からだを目覚めさせるコツは,体温を上げることです.朝からお風呂に入るとか,逆に,冷たいシャワーを浴びてからだに熱を作らせるとか,日光浴にも効果があります.温かい飲食物,辛い食べ物で,からだを温めるのも一法です.また,蛋白質を多くとると目覚めやすく,でんぷん質を多くとると眠りやすくなる,といわれています.

表.早起き訓練のための7カ条
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1.決まった時間に起きる(休みの日も)
 いつも起きていた時間より30分ほど早く
2.体温を上げる工夫をする(次から1〜2)
 お風呂にはいる
 シャワーを浴びる
 飲食をする(熱いもの,辛いものが効果的)
  乾布摩擦をする
3.ストレス源をなくす
4.日光浴をする(からだのリズムが整う)
5.朝は激しい運動をしない
6.朝食は蛋白質を多めに,夕食は蛋白質を少なめに
7.出来れば,早寝する
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【やる気】
 1週間後,B夫くんは元気な様子でやってきました.落ちていた肩もちゃんと元に戻っていました.
「元気そうですね.血液検査には何の異常もありませんでしたよ.」
「お陰様で,自分からシャワーを浴びると決めたり,やる気が出て来たみたいです.こんなことってあるんですか?」
「朝練のストレスが取れたのもよかったのでしょう.」
 次回は,
朝練ストレスにふれます.